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園芸植物の命名考
1.北米原産なのに『トルコ桔梗』とは

トルコギキョウ
『パクストンの植物雑誌…』(1839年)より
『パクストンの植物雑誌…』(1839年)より
F1化によって世界をリードする切花となったEustoma[=Lisianthus]はアメリカから欧州に1804年にもたらされた。日本には『園藝大辭典』(石井勇義編)では昭和10年坂田商会で輸入、トルコ桔梗はその頃の命名となっている。しかし奈良高田町(現・大和郡山市)山下二幸園の昭和8年(1933)の春季カタログに最新種リシアンサスとして販売されている。坂田商会(現・株式会社サカタのタネ)『園の泉・趣味号』昭和9年(1934)春季号に、「とるこ桔梗・リシアンサス」として初めてカタログに発表された。その説明では「右図の如き花、桔梗科の植物で性質は強く乾燥に耐えます。花は美しい濃紫色で、底部の蕊は黄黒色をなし、直径約2寸[約6cm]位あります。春光路地に蒔けば、其年の七月頃から咲き出します。鉢植とする場合は一度摘心すると宣し、切花として、水揚良く花持宣し、温室栽培も出来ます。」と説明されている。
当時のカタログの編集者、また原稿の段階でリンドウ科をキキョウ科の植物と間違えた事、トルコ人の帽子と花が酷似していて「とるこ桔梗」とつけた、と私は考えている。昭和10年(1935)の大和農園(現・花の大和)『草花の種子』花号には「リシアンサス・ルセリアナス」として、前述の山下二幸園のカタログと同じ写真を掲載している。ちなみにF1品種は昭和57年(1982)より販売された。