気になる園芸品種

著者:園芸家 杉井 明美

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1.刺激的なハイビスカス

フウリンブッソウゲ
「エル カピトリオ」の呼称を冠する園芸品種と思われるもの
左:フウリンブッソウゲ
右:「エル カピトリオ」の呼称を冠する園芸品種と思われるもの。
雄ずい筒の先が弁化しているのが特徴。熱帯植物の図鑑『トロピカ』にはフウリンブッソウゲの園芸品種で‘パゴダ’と呼ばれる そっくりの花が載っている。同じものであるならば、由来を含め採用すべき呼称の検討が必要。

‘好き’は千差万別、人が植物と出会って感じるそれも例外ではありません。そしてその‘好き’になる要素もまた、その人によってさまざまだと思います。意識していないようにみえますが、自分の好きな植物を並べてみると、どこかにいくつかの共通点があるようです。

私の場合そのなかの一つに‘間’があります。隙間といってもいいかもしれませんが、間が開いていることを心地よく感じるようです。それは草姿全体の中の間であったり葉や花、茎との間、葉や花そのもののなかの間などいろいろです。

そんな隙間好きの私のアンテナを、このところビリビリ刺戟しているのがハイビスカスの「エル カピトリオ」(El Capitolio)という呼称を冠して売られている園芸品種群です。「フラミンゴタイプ」ともよばれていますが、フウリンブッソウゲのように下向きに垂れるように咲きます。

この植物のどこの隙間がというと、それは花弁と花弁の間。多くのハイビスカスは花弁と花弁が隙間無く重なって、面で迫ってくるような雰囲気があって、正直いうとこれまで少し敬遠しているところがあったのですが、これを見た時からすっかりハイビスカス好きになりました。

そんな些細なことと思われるかもしれませんが、人が何かを好きになるのは案外そんなところにあるのかもしれません。私にとって隙間は‘好間’なのです。