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吉川英治文化賞に橋本氏 [小笠]

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1999年3月6日 静岡新聞

第三十三回吉川英治文学賞(吉川英治国民文化振興会主催)の選考会が五日開かれ、白石一郎民の「怒涛のごとく」(毎目新聞社)が選ばれた。賞金は三百万円。また、第二十回同文学新人賞は、山本文緒氏の「恋愛中毒」(角川書店)に決まった。賞金は百万円。同文化賞(賞金各百万円)には、次の各氏が選ばれた。(敬称略)

河合正泰(六九)、美登利(五九)=長年、更正保護施設を運営し、多くの人々の自立・更正に尽力▽見城慶和(六一)=長年、夜間中字一筋で指導▽近藤亭(七七)=ネパール・ムスタンで農業技術指導など幅広い支援▽橋本梧郎(八六)=プラジルで植物の収集と分類に取り組み、貴重な資料に


世界最大規模の植物標本作成

[写真:橋本梧郎さん]

吉川英治賞に決まった橋本梧郎(八六)=ブラジル・サンパウロ市=は小笠郡小笠町猿渡出身(旧制掛川中・現掛川西高卒)の植物学者。橋本さんは幼いころから牧野富太郎著の「日本植物図鑑」を愛読し、十九歳で日本植物学会の会員になるなど草花が大好きで、昭和九年に植物の宝庫、プラジルに渡り、コーヒー園の開拓に従事しながら植物採集を開始した。

二十五年にはサンパウロ 博物研究会を設立、活動の拠点とした。これまでに集めた植物標本は約十五万点。個人収集では世界最大規模の標本といわれる。

平成八年には六十年来の研究の集大成ともいえる大著「ブラジル産薬用植物事典」をまとめた。

国際植物増殖者会議に出席するため昨年十月に来日した際、石川嘉延知事を表敬訪間した。また、小笠町の名誉町民第一号に輝いた。

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