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パソコンを使っての植物園のシステム化案

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1987年4月 日本の植物園-1987- 別冊
社団法人 日本植物園協会編
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特に個体情報の総合管理システムについて

毛藤圀彦

日本の植物園-1987- 別冊 社団法人 日本植物園協会編 1987年4月


植物情報のデータ化を思いたってから7年になる。
社内に電算部をつくって2年たつ。現在、出版局の中に所属させているが、ゆくゆくはこの部門をのばし、独自部門にしたいと考えている。

植物の情報を表現する道具建てとしては、出版も電算も一つの手段として変りないのだが、将来性を考えると電算のほうも面白い気がする。電算のもつデータ変換能力、静止・動画を問わず画像情報との連動、多彩なグラフィック処理などは見ていて楽しい。とくに、素情報が処理されて二次的な情報として得られた知識は、人間の創造力をしのぐ高次元なものも多々あって、植物のもつさまざま情報を表現する手段として考えると、無限の可能性を感じる。

具体的には課題が三つある。第一は人材の育成、第二はデータベースづくり、第三はシステム化である。 

当社では植物名のラベルを作って売っているから、当初、その素情報をコンピュータで組版出力させる、という社内的な目的があった。学名や和名、科名、原産地などの植物基本情報にその都度正確を期すことは多大な労力と能力とを必要とした。女性のプログラマーが入社し、出版部員とワープロ入力者と三人一組にして、はじめ分類情報のデータベースづくりをはじめた。これらが統合されて、やっと社内業務が流れるようになった。とくに編集担当者が、わずらわしい校正やレイアウト作業から解放され、ずい分と助かった。こうしたことがきっかけになって社内のOA化の気運はもりあがったように思う。 

電算化されたラベル情報は植物関連の出版物の編集にも大いに役立つようになり、これにともなって分類情報以外のデータベースづくりにも拍車がかかった。 植物の特性情報、さらに、画像情報のデータベース化がはじまり、それではということになって1年間に数万枚の画像を入力する作業も開始した。

画像メディアとの接続をきっかけとして開発プロジェクトが生まれ、いくつか商品としてのプログラム開発計画も動きだした。最近充実したばかりのグリーンビジョン・バージョンⅢ(GVプログラム基本開発・鈴木雅和、以下同様)はその一つの成果である(表Ⅰ、表Ⅱ参照)。

このソフトは、植物案内や名前をしらべ、庭や緑地の設計や管理法などには格好なファイルになった。

コンピュータ化が他の部にも波及して、さらに、ビジュアル化への関心が高まった。最近開発した、サインユニット(組み立て式簡易標識)制作部門では、最新のグラフィックソフトをむかえて、構造部材の設計図はもちろんのこと、標識の中の地図や絵も出力していこうという盛り上がり方である。

植物を案内するラベルの記載情報も総合的に扱えるようにしたい。植物園や設置する個の目的に見合った多様な内容が求められる時代になったからである。したがって、共通する分類情報以外の素情報などのデータベースもつくっておき、それらの情報が、随時入れ替えがきくようにしておくと非常に便利になるだろうと考えた。たとえば分布地図などは、グラフィック機能を使ってデータ化しておくとラベル以外の用途でも活用できるのである。

課題は、こうした情報が相互に行き来して連絡しあえるような適切なハドウェアとソフトウェアのシステムを確立できるかどうかにかかっている。 当社にはパソコンが2組と入力機としのワープロが5台あるが、プログラマーも含め、何らかの業務関連で日常8名の社員が操作している。しかし、反省するべきことは多々ある。たとえば、植物担当の当社の植物学者ともいえるべき2名は、自らすすんで、これを活用しようとしない。自らの判断力で、文献や資料に当る法がまだ手っとり早いのだ。当社で開発中のいくつかのプログラムは、相互に連絡しあすシステム体系に至っていないから、まだ使い勝手が悪いものなのかも知れない。


情報管理面の遅れ

いささか前おきが長くなった。ところで、植物園における植物の情報を管理することは、たとえば企業における売るべき商品の管理となんら変わらないというのが、あえていう私の持論である。コンピュータ化する上での情報構造上の差異もない。 

情報管理の面において植物と商品とを比べれば、明らかに植物分野では遅れている。その差は大きい。その遅れを、単なる園事情や予算組みの遅れであるうちに、つまり植物園の基本的な活動や運営の遅れにならないうちに、とりもどすことが必要のように私には思える。

今日私たちは、身近に見る多くの商品がコンピュータ管理されていることを知っている。たとえば、あらゆる商品には、バーコードが付されている。これらが生産から消費者に渡るまでのさまざまな管理業務の中のパスポートになっていて、物の流れを効率的、かつ体系的に組みあげている。 

バーコードが植物管理に必要だといっているのではない。すぐれている商品の情報管理に、学ぶべき多くのものを見つけだすことは比較的容易であるから、それらの中で便利なものを積極的にとり入れていく必要性を強調したいのである。 

たとえば植物園で、年間導入個体数とその枯死数のデータが蓄積されたとする。体系化された管理システムを持っていれば、その比率や関係は、解析のプログラムを一つ加えると、たちどころに、グラフ化されてあがってくる、はずである。 

こうした管理情報を得ることは、現場の植物担当者にとって耳のいたい話ではあろうが、必ず業務の見直しとなり、ひいては枯死率を少なくさせるための技術に行きつく。こうしたことが職場で働くことのはげみにもなっていくのではないか。素情報からうまれたこうした二次的な情報は、単に、植物管理にとどまらず、植物園全体の生きた運営データとして生かされると思われるのである。


第一期のOA化時代から今へ

さて、そうこういいながらも、もういくつかの植物園ではすでにコンピュータ化が始まっている。 

私の知る範囲で、これまで植物園関連で開発されたシステムを挙げておく。抜け落ちもあるかも知れないが許されたい。(ハード手持ソフトのレベルはのぞく)

  1. 大阪大学薬学部「保有植物データベースと目録」
  2. 名城大学薬学部「同上」
  3. 国立科学博物館筑波実験植物園 「受入個体毎の管理システムと植栽位置地図」
  4. 千葉大園芸学部「画像でみる植物図鑑システム」
  5. 理化学研究所 「部位による樹木検索システム(500種)」
  6. 東海財団「病虫害診断システム」
  7. 沖縄・海洋博覧会記念公園財団 「動画による世界の熱帯植物ビデオシリーズ」
  8. アボック社 「大型コンピュータによる植物管理システム」
  9. 六高山植物園「植物目録」
  10. 日本観葉「栽培植物のコード化とデータベース」

(4)は神代植物公園、大阪北部公園緑地事務所

(6)は名古屋市緑化センター、東山植物園

(8)は東京薬科大学、で見られる。

上記プログラムは、それぞれ使途目的を異にしており、今は相互の関連性もない、システムとして適切で将来に連がるかどうかも不明である。すでに活用されていないものもあるかもしれない。しかし、こうした成果は、この5年位の間に試行錯誤しながら生まれたものであり、日本の植物園のOA化の第一期を画するものといってよいだろうと思う。 

そして今、確実に、日本の植物園のOA化の歩みは第二期に入ろうとしている。第一期の動きよりもさらに多くの植物園やその関連機関では、その計画が始まっている。 

この第二期の特徴としては、個々の植物園レベルの情報を、さらにこれを大きなシステムやネットワークとして把えようとする気運があることだろう。後者は第一期にはなかった新しいシステムの考え方に立っている。プログラムを個々に考えるのではなく、関連して、充実していくものとして把える。貴重なデータを数ヶ所で活用できる形にする。


ハードウェアのこと 

こうしたシステムにおけるハードウェアの中心は、パーソナルコンピュータ、略称パソコンである。 

この2~3年でパソコンはかつてのオフコンをこえる能力と機能とを装備し“仕える小さな鬼子”となっている。価格もどんどん下がり、今や車一台の安さである。仕事場で使うにはこのコンパクトな仕事師を十分に活用しない手はない。職場の有能な人材の作業を軽減し、他の有効な業務にその力をふりむけるためにも、また、その業務自体をサポートする機器としてまず、職場専用機をなにがなんでも設備してほしいものだ。職場に一台ないとどうしても使い勝手が悪いからである。一太郎や松86というソフトをご存知だろうか。

パソコンがワープロに変身するソフトである。これが5万円位で買える時代である。また脱線したが、第二期のハードウェア体系は画像や作図機器、音響機器などと連動できるパソコン主流で組まれる。

ハードウェアの構成上において、一つだけ悩みがある。画像ファイルである。

パソコンで一つ一つの画像プレートを制御し、任意に検索できる機器としては、パイオニアのレーザーディスクが便利だ。しかし、園独自のディスクをつくろうとするときわめて高価であり、画像連動システムの導入の最大のブレーキとなっている。ちなみに1枚の35ミリカラーポジを入力するのに3000円かかる。1000枚で300万円になる。ディスクの収容能力は54000フレームあるから、フルに使えば、1億6200万円。とほうもない金額になり、ここには将来性はない。画像を充分に働かせるには、少なくとも1万や2万枚の写真データベースがほしい。メーカーは動画指向に走り、静止画へのサポートには現在はきわめて消極的だ。

しかし、いっぽうで、別の画像ファイルシステムもあって、この方の将来性は明るい。光ファイルシステムというもので、ナショナル、日立、ティアックが出している。光ファイルの魅力は追記式であること、将来には可変式をめざしていることだ。これによると自園の画像が自園で入力できるから、パイオニアよりも実用性は高い。もっとも総合機の価格は350~270万円とまだ高価である。しかし、再生専用機は70万円位だから、入力はしかるべき所に依頼して、自園では再生に重点をおく方が現時点では賢明といえよう。

以上のような問題を含みながらも、ネットワーク化の最近の動きはパソコンを中心として活発に組みたてられようとしているのである。


ネットワーク化の動き 

最近のコンピュータ活用の動きとは、たとえば以下の如くである。

  1. 保有する個体数が増え、さらにその情報が多元化、多様化してきた。その情報を管理する手段として。
  2. 植物の遺伝子資源の確保という認識に立って、その基礎的個体である植物個々の情報を正確に記録し、保持する手段として。
  3. 保有植物の目録や管理用リスト、さらにはラベルを出力させ、最新の保存状況を把握すると同時に、労力や経費の節減を計る手段として。
  4. 外部からの植物相談や問合わせに対応するコンサルタントの支援として。
  5. ビジターセンター用。来園者の様々な要望に積極的に応える手段として。
  6. 造園・庭園の植物設計を支援する手段として。
  7. 園内の植物教育上、技術者養成上の手段として。
  8. そして、情報のネットワークとして。

上記(1)(3)や(4)(5)などの一部を目的としたプログラムは第一期にもあった。その他の動きは第二期の真新しい動きといえよう。そしてあらためて(1)から(8)までが見直され、さらに効率的な体系化した総合システムや支援プログラムが考えられはじめようとしているのが今日的状況といえるだろう。

特に情報のネットワークとしては、国や地方自治体などの行政レベルからの要望が強まってきており、これに植物園レベルでも対応すべくシステムを構成する必要性にせまられている。 

たとえば、遺伝子資源の確保という側面からは、農水省、科技庁、厚生省が早くから植物園や植物研究機関が保有する個々の植物のデータに着目し、その一部ではデータベースづくりを開始している。文部省などもこれにつづいている。

建設省では、環境緑化の材料としての側面から、植物の造園的特性をデータベース化しようとしている。これには都市緑化植物園や、緑化センターなどが保有する植物がデータ対象となるだろう。

地方自治体では、緑化計画や緑地管理の側面から、緑地植物を全体把握する必要性を強くもっている。したがって、街路や公園などの公共地にある緑地植物の把握と併行して、傘下の植物園の保有植物データも把握することを理想としている(東京都)。

また、出先の植物園等のもつ植物データをたとえば数ケ所で働かせるようにして、植物管理計画の立案や住民への情報サービスに役立たせようとする動き(横浜市、川崎市)などもある。 

しかし、以上さまざまな動きは、現実としてはかならずしも合理的かつ体系的に組まれているとはいいがたいようである。

その原因としては、いくつか考えられるのだが、全体としては、システムとしての方途が定まっていないことに起因するといえまいか。具体的には以下の事柄があげられよう。

  1. 植物が多量かつ多様であり、把握すべき情報対象が不鮮明になりやすい。
  2. 有効なデータベースがつくられていない。
  3. 適切なハードウェアの選定がむずかしい。
  4. 要望にあったソフトウェアを創るものが困難である。
  5. 支援プログラムが見えていない。
  6. 期待する成果が明確でない。

以下に、こうしたことを課題として、植物の情報管理のプロセスをたどってみるが、同時に今、我社の開発プロジェクトがまとめにかかっている植物情報の総合的なシステム体系“グリーンシリーズ構想”の一端(GAプルグラム)をお伝えしてみたいと思う。(表Ⅲ、表Ⅳ参照)


植物の個体情報とは

一般的にいって植物園における社会的役割は、植物保存(情報)の意味からすると以下のような対比で考えられている。

  1. 生育地保存(生態系保存)
  2. 栽培保存(植物園保存)

つまり、(1)の自生域そのものでの保存(自然保護や環境保全)に対する、栽培保存(情報)を目的としているのが植物園というわけである。保護と栽培との対比である。

この意味からすると、自生地から、生きた植物を収集し、保存(情報化)する好意そのものが植物園の基本的な役割であることが理解できるし、収集した植物保存と素情報の把握こそが植物園が最も大切にすべきものであることが判る。そして、植物園の具体的な業務といわれる、導入・栽培保存・研究開発・展示の4つの機能の中に、把握し管理すべきさらに多くの情報が存在するのである。

ところで、個々の植物園の性格は、保有植物(情報)の収集目的や重点の置き方によって異なっている。

  1. 総合植物園(導入、栽培保存、研究開発、展示・観賞を創造的にめざしている植物園)
  2. 特殊植物園(合目的な植物に限っている植物園)
  3. 植物公園(植物学的研究を行わないで栽培や展示に重点をおく所)

上記のうち(3)はこの稿ではふれないが、(2)の特殊植物園とは、例えば薬用植物園、樹木園、花卉園芸植物園、教育園、都市緑化植物園などが該当するのであろう。

しかし、各植物園の性格のちがいこそあれ、植物の保存形式や情報のとらえ方は異なるものではない。植物の保存形式とは次の三つであろう。

  1. 生きた標本(生植物・・・・・・・栽培保存)
  2. 休眠標本(種子・器官・・・・・・・冷蔵・凍結保存)
  3. 乾燥標本(主な部位・・・・・・・さく葉標本保存) 

これらは、情報構成上から考えると、実は、同一のシステム上に載るデータとしてとらえられるのではるまいか。この方法論が、表Ⅳに紹介する私たちのグリーンプログラム構想というシリーズ設計上の出発点になっているのである。

それでは、植物園や関連機関におけるこれら三つの標本は情報としてはどのように把えられるであろうか。それは、第一には、確定した種や品種の「代表」としてとらえる。第二は、個体の差を問題にする場合や、その個々をカウントする場合には「個」そのものがとらえられる。

研究開発や、統計の機能を重視すれば、植物園や関連機関にとっては当然のことに、「代表」よりも「個」の情報こそが基本的な視点であり、重要であろう。たとえば、植物生理上からみると、「種子から生育した植物体は一つ一つに個体差があり、その差異をみすえていくことが植物研究の基本」といわれている。したがって、こうした「個」のもつ特異性や特殊性を第一義としてとらえ、その上で同系の個体を集団として判断できるようにシステム体系を構築することが望ましいと考えられるのである。

純系の品種や「代表」というレベルの特性データの集積も併せて行なうことは大切であるが、この必要性は植物園によって大きく異なるから、これはとりあえず第一段階では、個の情報のサポート的な位置づけに(いつでも個の情報を支援するポジション)おいて、体系化を考えるべきであろう。システムを考える場合、この関係を混同すると、将来的には統合をさまたげる原因になる。「個」と「代表」情報の間は、同種名データ統合という機能を作って、連絡しあえるようにすればよい。キーワードとしては和名もしくは学名が便利で、これを連絡記号として活用する(表ⅣのGAとGYプログラムの関連はこの認識のもとにつくられている)。


システム案のポイント

上記のプロセスを念頭において個の植物データを整理しつつ、システム体系のポイントにふれてみよう。

  1. 植物個体データ(データベースとして)
    1. 生標本、休眠標本、乾燥標本の区分
    2. 受入番号(一個体ごとの場合は枝番号を付加)
    3. 野生種か園芸品種かの区分
    4. パスポートデータ
    5. 特性データ
    6. 所有データ
    7. 栽培、分譲データ
    8. 保存位置データ
  2. 期待する効果(システムとして)
    1. 多量かつ多数の各個体に関する情報を迅速、正確かつ簡易に管理する。
    2. 入力される素情報を容易かつ適時に集約させ、有効な2次情報を得て、研究面での成果を期待する。
    3. 個の情報の系譜を明確にし、その上で個のもつ特性が偶発的なものか、普遍的なものかを判断する材料とする。その確認には他の機関とのネットワークシステムに期待する。
    4. 栽培植物、種子、標本の目録や各種リストを出力し、導入番号をたどることによって、保存植物のインデックス化をはかる。
    5. 栽培植物、種子、標本のデータからラベルを出力し、実物との照合を正確かつ容易にする。併わせて労力の大巾な節減をはかる。
    6. 植栽位置を地図のような図形で表現し、保存位置ごとの植物把握を容易かつ体系的にとらえる。展示計画や管理の見なおしにも役立つようにする。
    7. 来園者や外部に対して適切な情報提供を可能にする。教育や宣伝部での成果(データベースに対して)も期待する。
  3. 機能への要求
    1. 導入から消失または分譲までの個体のパスポート情報(同一種の導入がひんぱんに行われる場合、初期情報データが呼びだされ、複製し、一部変更できる機能。)
    2. 情報項目は植物園のそれぞれの目的に合わせて構成できる機能。
    3. 導入番号の付番は自動的に行う機能。
    4. 導入番号は、生植物・種子・乾燥標本のそれぞれを類別して付番する機能。
    5. 導入番号が同一で受入個体が複数の時は枝番号を付す機能。
    6. 個体の位置情報は、園内地図、貯蔵庫図、収納室図などをグラフィックデータ化して、デジタイズすることによって、図面イメージのまま表現する機能。
    7. 印刷形式は、ラベリング、マウンティングの各フォーマットも持つ他、多様な様式をとり入れる機能。
    8. 操作や入力を容易にする機能。(マウスによる選択子操作)
    9. 機密情報はロックすることができ、データ保護も可能とする機能。
    10. データが事故や操作ミスによって消えないようにする機能。
    11. 導入植物の戸籍データだけではなく、導入時や、調査研究時点での生きた情報を加える必要がある。そのために、画像メディアや他のデータベースと連結させる機能。
    12. 他に構築される関連プログラム、支援プログラムと連結する機能。
  4. システム特徴
    1. 植物個体や名称統合された種や仲間の保存(植栽、貯蔵)位置をカラー地図グラフィックで表示
    2. 会話型画面入力をやめ、マウスで目的に直結する操作
    3. 植物ラベルや標本ラベルを出力させる
    4. 自動的にコード(導入番号)を付番する
    5. 総合システム性をもつ(他のプログラムとリンクする)

以上は現在開発中のGAプログラムの設計上の考え方ともなっている。実現度としては、まだ不明であるが、設計理論上のプロセスとしては、ほぼ目途がついているので、その大半が遠からず動き出すものと思われる。 

表Ⅳをみてほしい。このGAプログラムは左隣りのGVプログラムと連結する。さらにこれらを支援するソフトやデータベースが周辺にあって、これらが充実していく日が持たれるのである。


コンピュータ植物園学への道

周知の通り、個のパスポート情報をデータ化することは植物園の植物情報の管理の全てではなく、ごく基本的かつ初歩的な第一ステップのコンピュータ化である。 理想からいえば、こうした個々の園のデータを元にして、さらに日本の植物園の所有する全ての資料が将来にむかってデータ化されることであろう。これには情報センターを創ってそこが管理する。こうした情報センター創立には多大な費用と労力とが当然のごとくかかる。したがって、できるだけ多くの園がこれに協力して行う必要があろう。センターとブランチとの情報の流れは一方通行ではなく、ギブ・アンド・テエイクを鉄則とする。きたるべき時代を切り拓らこうとする植物園の運営や活動にとっては、この道は魅力的なはずであり、かつ必要であるように思う。

いずれ五年もすれば、植物園におけるコンピュータ化は第三期に突入しているかも知れない。これも私の希望的な観測であるが、その頃、「コンピュータ植物園学」ともいうべき理論と実践とがシステム体系として構築されることを期待する。

たとえば、誰れかが、植物園の情報の核ともなる中央情報センター、又はワークステーション(というネットワークができたと仮定して表Ⅴ参照)に行って、「ユリノキ」について知りたいとする。「ユリノキ」と入力すると、現在のシステムでは、その一般特性やカタログ的説明がでてくるだけであるが、その「ユリノキ」に関するあらゆる側面からの書物や論文、原記載などの所在が示されたり。「ユリノキ」が生育する自生地の分布や植栽可能地が地図上にデジタイズされたり、植物園で保有する「ユリノキ」の保存情報が出力されたり、「ユリノキ」が植栽されている風景写真が撮影データとともに何十枚も出てきたり、また近縁種の「シナユリノキ」、そして園芸品種の「ファスティキアータム」や「オーレオマルギナータム」の記録が紹介されたりする。自生地のビデオや生育生長記録、形態などのビデオも同時に検索され、「ユリノキ」の自己表現そのものがとらえられるのが理想である。 

こうしたことが表現される新システムは、今日、マルチメディアデータベースといって、たとえば医療や民族学の世界ではすでに検討されはじめているのである。

ダイナミックな体系をもったコンピュータ植物園学なるものの実践の事例が、近い将来、植物園協会などの主催する研究会などで発表され、議論白熱する日がやってくることを期待してやまない。コンピュータ植物園学が日本においてシステムとして体系化された時、ここから生まれる情報はきわめて、価値の高いものになる。こうした価値ある情報をもつことが、結果として日本の植物園全体の社会的、国際的な地位をひときわ高めるにちがいない。

コンピュータ植物園学への道はまだまだ違いが、日本の植物園全体が手に手をとって歩むべき明日への方角ではあるまいか。


参考文献

(1)坂嵜信之「植物台帳について」 日本植物園協会誌第16号、P3~5、1982

(2)金井弘夫「植栽植物情報のデータ化」日本植物園協会誌第16号、P6~10、1982

(3)米田詃典「薬用植物園における種の導入について」 日本植物園協会誌第18号、P3~6、1984

(4)小山鐵夫『資源植物学』 講談社サイエンティフィック、1984

(5)杉田繫治「コンピュータ民族学とマルチメディアデータベース」 Computer Today No.15.1986

(6)打浪精一「探検データ処理とマルチメディアベース」 Computer Today No.15.1986


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