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植物園における展示 ―主にサインのはたす教育活動へのサポート―

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2011年3月 日本植物園協会誌 第45号
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―特集「植物園における教育活動」~子どもたちの学習の場としての活用~―

植物園における展示 ―主にサインのはたす教育活動へのサポート―

石井 通博

Displays in Botanical Gardens

―Consideration mainly on Signatures Supporting to the Educational Activities-

Michihiro Ishii


はじめに

生物は大きくは真核生物と原核生物に二分され、真核生物はさらに動物・植物・菌・原生生物ほかに分類されている。私たちが馴染みのあるものは真核生物で、なかでも主に動物と植物であるのは言うまでもないであろう。そして、植物は光合成微生物とともに、自ら光合成によって有機物を生産するという独立栄養を営む生物であり、全ての動物が植物の上にのって(依存して)生きていることから「生態系の源」であるといえる。

私たちの暮らしの中の随所で植物は貢献している。かつて、企業参画の「出前授業」で小学校4年生に、「植物はどんなところで役にたっている?」と質問してみたことがある。返ってきた答は「酸素をつくる」とか「食べ物」といったところであったが、そこで、住まい、衣服、エネルギー、余暇など様々な日常生活のほとんどに植物が関係しているという話をすると、子どもたちは昔、大変感心していた。言うまでもないが、「植物」は環境学習の第一歩のテーマなのである。


展示-学習サイン 屋外と屋内

私たちの会社は、植物ラベルの専門メーカーから、より大型のサインも作るメーカーへと進化してきた。名前だけのラベルから、解説の入ったラベル、さらに絵や写真も入ってわかりやすくなったラベル、そしてどんどん情報量は多くなり、個々の植物につけるラベルから、「庭全体の植物」、「森を代表する植物」など、1つのテーマについて解説したサインも作るようになった。

現在は、駅や団地の案内サイン、古墳や文化財の解説など幅広い分野を手がけているが、元来は植物の解説サイン、学習サインが私たちのサイン事業のルーツであり、特に植物園や学習園的な場所の屋外サインは、かなり前から多く手がけてきた。サインは、屋外と屋内とに分けられるが、以下に屋外サインの特徴を記してみる。

屋外サイン制作のポイントは、屋内サインに比べて物理的な制約があり、盛り込める情報量が限られてしまうため、情報を整理することにある。人が屋外で立ち止まって普通に読む文字数は約100文字といわれている(もちろん興味のある人は500文字でも1000文字でも読むが)。したがって、できるだけ情報を分類・整理して、100文字を目安に小見出しなどで文章を分けるような工夫が必要である。最初のリード(要約文)を読んで、さらに興味のある人は読み進める、という構成になっているとよい、屋内サイン(展示)も、情報の整理は必要だが、少し文章量が多くても読むようだ。
また屋内サインのほとんどが、解説する対象が身近にあるのも特徴だ。それは、個々の植物であったり、周辺の生き物であったり、森・湿地・池などである。そのため、対象物との整合性・相関性が必要である。

あくまで主役は対象物で、サインは脇役に徹する必要がある(季節考証や時代考証もきっちりつかんでおく必要がある)。

しかし、屋内サインは、独立した解説ボードとして(本のように読み物として)完結していなくてはならない。ただし、ふつうは目の前に対象物があるわけではないので盛り込む情報をより自由に構成できる。

どちらにしても、情報過多の街中と違い、植物園や森の中、学習園などのサインは、多くの人が見てゆく、全て一言一句読む人や稀で、タイトルとリード(要約文)だけは目で追っているようだが、さらに読み進むかどうかは「サインの構成力」、「魅力あるコピーかどうか」、「魅力的なイラストがあるかどうか」などによって違ってくる。しかし、これはあくまで一般的な大人の場合である。対して子どもの場合はどうか?端的にいえば子どもはサインを読まない。では子どもの興味を引くサインとはどういうものか?


「子ども」と学習サイン

基本的に子どもはサインを読まない、大人なら、何が書いてあるかと思ってざっと目を通すが、子どもは一瞬にして「自分の興味の対象か否か」を判断する、今までの現場観察からすると、子どもが見ているサインは次のようなものである。


  1. 興味の対象にヒットするもの
    1. (1)昆虫、特にカブトムシなど(男の子のほとんどは見る)。
    2. (2)ドングリ。特に秋の収穫時期には結構見ている。
    3. (3)魚・水辺の生き物。池の周りで網を持った子どもたちは見ている。
    4. (4)食べ物。身近にある食べ物に関連する情報、バニラとかシナモン等。
  2. ビジュアルなもの
    1. (5)きれいなイラスト。見ごたえのある細密画などは、けっこう見ている。
    2. (6)キャラクターが吹き出して話しているような漫画タイプ。
    3. (7)簡潔で目をひく、おかしな(面白い)コピー。
  3. 設問形式のもの(クイズもの)
    1. (8)三択や〇×などの当てもの!
    2. (9)動かせるもの。フタめくり、スライド、回転など。

特に、最後のクイズものは以前の報告でも述べたが、子どもには大人気だ。それも、子どもも参加することができる内容で、答が選べるもの。当てもの感覚で楽しめるものがよい。

さらに動かせるものは大人気である。フタをめくるだけの単純な行為を子どもたちは競いあって行う。フタで隠されているものをあばくのが楽しいらしい。大阪の万博記念公園などで遠足にきている小学生を観察していると、ほとんどの子どもはフタをめくるだけ、それもビーチフラッグよろしく一番にフタをめくることの楽しみを見出している。次に、フタの下に書いてある文字を先生に報告する子ども。これは宝探し的な感覚かと想像する。文字を覚えたての子どももよくやる。そしてクラスで1人くらい本当に関心のある子どもがいて、声に出して読んだり、メモをとったりしている。

クイズ好き、というのは日本独自の国民性だと思っていたが、タイの国際園芸博覧会の日本パビリオンで行ったときタイの子どもたちも盛り上がっていた。さらに問題について質問する子どもや、メモをとる子どもは日本より多かったらしい。もちろん、この時のクイズは(財)国際花と緑の博覧会記念協会で作成されたもので、内容もよかったと思う。 その当時の(財)国際花と緑の博覧会記念協会の企画課長田中幸一さんのおかげで、クイズサインは日本だけでなくタイでも適用することが証明された。


子どもの回りの大人をのせる!

クイズは確かに子どもの興味を引く。しかし、遠足やイベントなどの特殊な時間の中で、普段より盛り上がろうと最初から意識が高揚しているせいもあると思われる。

同じくイベントでクイズを行うとき、インタープリターとしてクイズを解説する「ヒントマン」という役者をつけている。緑化祭などのイベントのとき、せっかくの機会だから、と非常に凝った環境教育的な問題を作ってしまうことがよくある。そうなると問題を紐とく「大人」が必要になる。ヒントマンがいてクイズは完結するのだ(実際、アンケート調査の結果を見ても、ヒントマンの解説が面白かった、という感想が多い。)

しかし、常時、クイズサインの前にヒントマンを配置しておくのは困難であり不可能だ。けれども大人も興味を引くクイズの作り方をしておくと、学校の先生や家族のお父さん、お母さんがヒントマンになってくれる(これらはクイズに限らない。解説サインでも、昆虫や草花遊びをテーマにしたものなどは、お父さんの少年時代の回想に火がつくのか、熱心に子どもに解説する父親がいたりする)。要は大人をのせることが大事なのだ。

小学生の遠足にしても、サインは先生の理解を喚起する教育も兼ねている。草津市立水生植物公園のみずの森のクイズサインで、「年輪のできる仕組み」を問題として揚げた。もちろん写真や図を使ってビジュアルに答えの解説パネルも作ったのだが、先生が感動して、「自分もこの図を見て、年輪のできる仕組みがはじめてよく理解できた。今まで漠然としていて生徒にうまく説明ができなかったが、この図で生徒に説明できた!」と喜んでおられた、と聞いた。

小中学校の課外授業でも担任の先生によって、子どもたちの雰囲気はガラッと変る。オピニオンリーダー的な先生はグイグイ生徒を誘導するが、そうでない先生は、昼寝しているか、一部の生徒がつきあわされて中途半端でいるか、どっちかのようだ。先生の解説ツールとしても使えるサインであることが重要だ。


アボック社における「子ども向け製品」

私たちの仕事はお客様のニーズを聞き、それにあった提案をする仕事がほとんどだが、植物ラベルを中心にいくつか既製品のラインナップもあるので、以下に紹介する。

  1. 旧J(ジュニア)タイプ・・ふりがな付きラベル

    かつて「Jタイプ」呼ばれていた、ナール体という丸ゴシックを使った、やわらかなデザインのラベルがある。これは小学生を対象としており漢字には全てルビがふってある。さらに解説は、名前の由来を中心に、生活との関わりなど、できるだけ子ども向けとなるよう工夫されている。園芸品種などに個々に対応しないことから今では製品ラインナップからはずれているが、子どもの多い遠足候補地の公園などにはよく使われた。

  2. シーCラベル・・CO2固定能力のある樹木リスペクトラベル

    2009年に新発売した、樹木の年間の二酸化炭素(CO2)固定量を表示したラベルで、その量は500mlペットボトルに容積換算されており、固定量を「見える化」したもの。温暖化、CO2削減が叫ばれ中で、子どもたちはCO2を固定できる樹木の偉大さを知る。樹木をキャラクター化した「シースウくん」がキャラクターで子どもの目をひく。

  3. クイズラベル

    約20年作り続けてきたクイズラベルであるが、今でも毎年細々と発注がある。単純に木の名前を当てるものであるが、「フタをめくって」答がわかる、というシンプルなものなので、数多くの特注タイプも作られている。


QRコードを使った解説システム

サインの情報量の配分は、毎回悩みどころである。情報量が少ないと知りたい人は満足しないし、興味のない人は情報が多すぎると見向きもしない(特に子ども)。 読みたい人が必要量読めるサイン、ということで以前、ブック形式のサインを作ったことがある。パネルがうまくめくれないので数年でやめてしまったが、考え方は間違っていないように思う。

アボック社の運営するインターネットサイト「はなせんせ」は開設以来約6年になろうとしている。当初は屋外で不明な植物と出会ったとき確認のための事典機能や、その写真を撮って投稿すると名前を教えてくれるBBS(掲示板)機能を利用するためのものであったが、3~4年前より、屋外サイトにQRコードがつき、より詳しく知りたい人は携帯電話でQRコードを読み込み、「はなせんせ」の解説ページを見ることができるようになっている、前述した「シーCラベル」でも、同様に専用サイトのほか「はなせんせ」の個々の植物解説画面も見ることができるので、ラベルの不可価値は高いといえる。

もともと観光サイン等で使われはじめたQRコードであるが、昨今は防災サイン、そして、もちろん植物園でも使われだしている。

当初、子どもや老人は携帯電話を持っていないし、老人は電話以外の機能を使わないことから、一部の年齢層のみのサービスかもしれないと危惧されたこともあったが、今日の人々の生活スタイルは携帯電話を中心に回っており、すでに一般的な情報伝達システムといえるだろう。

現在、「はなせんせ」の中には約4万種類のデータが入っているが、園芸品種や外国産の種類の中には掲載のないものもある。また種類によって情報の量にばらつきがある。ゆくゆくは各植物園と連携してデータを増やすことができればと考えている。それぞれの園に得意な分野を受けもっていただき、さらに充実したデータベースを構築することができれば、ユニークな日本の植物情報発信サイトになりうるだろう。


要約

野外ミュージアムの中でサインは非常に重要なアイテムといえる。植物園はサイン以外にも様々な演出が考えられるが、植物と来園者を結び付ける直接的なアプローチにはサインが最も有効であろう。筆者は約25年間、植物園以外にもネイチャーサイン®に関わってきたが、その中で教育的な見地からプロデュースしたものをピックアップし、「子どもの見るサイン」について言及した。後半部では時代の流れにのった「CO2見える化ラベル」や「QRコード」を使った情報サービスも紹介している。

SUMMARY : It may be said that the signature is a very important item in an outdoor museum. In the botanical garden, various direction is thought about as well as a signature. But a signature may be the most effective for direct approach to tie a plant and a visitor.
Among my 25-years experiences of a nature signature at various opportunities as well as a botanical garden. I pick up the items produced from the educational standpoint. And mention “the signature that the child watched”. The information service using “visualized label for CO2” and “QR cord”, which is carried on the passage of times. Is also introduced in the latter half.


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