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第四章 幹の不思議

第六三話 枝のはなし

重力に〝従うもの〟 〝逆らうもの〟

屈曲、枝垂れ、上向、斜上など枝のスタイルはさまざま
枝変わりは自然がつくった芸術品、庭の配殖やデザインにかかせない


枝は英語でブランチ、幹から分かれた茎、わき芽や不定芽が発達した茎をさす。ときには中心の根から分かれたものもいう。幹に対して、一番目の枝を主枝、主枝から出る枝を亜主枝という呼び名もある。枝の先の方から世代により一年枝、二年枝、三年枝と続くが、この呼び名もふだん剪定など庭木や、花木、果樹の手入れのときに使いなれていることばだ。

枝の出方にもいろいろある。例えば、八重ザクラの品種「天の川」は枝幹角(幹に対する枝の角度)が狭いので箒状の樹形を構成する。別の品種「関山」は広い角度なので盃状の樹形だし、ソメイヨシノはさらに横張り枝が出て独特の形になる。アオキのように規則的に2本ずつ出る枝、ミツマタやアカメガシワのように3本ずつのものもある。ミズキは枝が輪状に出るので別名クルマミズキと呼んでいるし、常緑のヤマグルマは名前のように輪生、つまり車軸のように放射状に枝が発生する。また、香篆と称する奇妙な枝がある。

コウテン梅、コウテン柳、コウテン桑など、どれを見ても、どうして曲がりくねるのか、不可解だ。このように、枝の出方がいろいろあるのは、樹種による遺伝子のいたずらと思うが、他に木の形を決定するのは、伸長率、上向量、横向量などである。だから、樹形を構成する枝の生長が、意外と単純な造形の繰り返しではないかと、コンピューターにデータを入れて説明する人もいる。

枝は重力に反抗して上へ上へと光を求めて伸びる。枝に付いている葉も同じだ。ところが反対もある。シダレヤナギ、シダレザクラ、シダレハナミズキはみんな重力にすなおに下方へ伸びている。シダレハナミズキは葉まで追随して下向きだ。ドイツで見たシダレブナは高さが10m以上あり、すべての枝は下向きで長いのは芝生に到達して横に伸びていた。枝の伸びは、若木のころは1年1m以上にもなるほど旺盛な生育をするが、年を経るごとに枝の数が多くなり、おのおのの枝の受光量が枝の過密化に伴って減少するので、伸びは非常に低下するのがふつうだ。

東大植物園に有名な精子発見のイチョウの大木がある。徳川時代から下界を見下ろしている木だが、昭和35年ごろ測定した高さは約25m。26年を経た今でも似たような高さで、こずえの枝はせいぜい伸びても50cmも長くなっていないだろう。枝幅だって同じことがいえるはずだ。イチョウの古い木の頂枝はたいてい北向きという。春の芽出しごろの南風に当たった結果で、昔の人々は方角を見るのに使ったとか。

一口に枝というけれど、枝の出方や生長などおもしろい観察点は無限にある。

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