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第七章 植物生態の不思議

第九四話 フィトンチッドのはなし

木精フィトンチッドは不思議な力

ユーカリノキの森には蚊が来ない


『昆虫記』で有名なファーブルの『植物記』(平凡社)を読んだ。

「わが家のたから、金髪頭のいたずらっ子たち。「樹の話」に興味を持ってくれるだろう。出版されるこの本が、君たちに話した時と同じくらい喜ばれることを祈って、私にキスしておくれ!」と記してある前書きに、心が弾んだ。

以前、NHKテレビ「クイズ百点満点」係から電話があった。「サクラもちのサクラの葉は、オオシマザクラがよく使われると言うが」と質問され、「大量に採れて葉が大きい、塩漬けにして芳香性物質クマリンを分離、発散させる」などと答えた。「殺菌力もあるか」とも聞かれた。興味深い発想だ。クマリンが腐敗菌を殺して保存に役立っているかもしれない。

いつか読売新聞に第30回読売農学賞が発表された。受賞者7人の中で私の目を引いたのが、山口大学の畑中顕和教授。「心なごませる香りで語り合う植物たち」の見出しで、詳しく読むと、カシの葉にマイマイ蛾の幼虫が異常発生すると、葉の香りは不快なにおいとなって、幼虫を餓死させるという。さらに、木が香りによるシグナルで5百mも離れた仲間の木に伝え、備えを促すというのである。観察、実験の研究成果であることは間違いない。

ファーブルは150年も前に『植物記』で言っている。「植物はもともとおしゃべりだ。じょうずに質問しさえすれば、知りたいことを話してくれる。ただ聞くだけでなくて、植物の口を軽くさせるために、観察することだ」というのだ。本書でも何度となく力説してきた植物観察、物言わぬ植物の声に耳を傾けたい。

コアラで有名なユーカリノキ(ユーカリ)は、昔から木の周りに蚊が来ないという。原因は葉と枝から発散される揮発性化学物質が蚊を寄せつけないからだという。明治13年、ユーカリノキを小笠原に植樹したのは、葉が発散する化学物質により、住民の気管支疾患を予防することにあったという。ユーカリノキの葉の不思議な力はまだある。人に有害な細菌、ブドウ球菌が1立方cmに20億もいる液体から1滴をとり、ユーカリの葉にたらすと、6時間後には全部死滅するというのである。

これは、植物の不思議な力、フィトンチッドという。ロシアの生物学者B・P・トーキン博士が1928年から30年に発見し、命名した。フィトン(植物)とチッド(殺す)の合成語だ。植物の葉は空気を浄化するだけでなく、殺菌力もあり、人間に恩恵を与えていることを知れば、これからの観察ももっと面白くなることであろう。

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