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十年かけて集めた貴重な記録

週刊時事
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倉田洋三編「写真帳・小笠原―発見から戦前まで」

この六月二十六日、我が国は小笠原諸島の返還十五周年記念日を迎えた。いまは東京都地籍であるが、伊豆七島のさらに南南東に位置するはるか亜熱帯のこの島々が、発見から今日まで、どんな歴史をたどってきたかを知る人は少ないだろう。

本書の編者は、十年前から小笠原研究員である。この編者が初めて小笠原の地を踏んだのは、ちょうど十五年前、小笠原がアメリカから返還されるその日だった。

こうした奇縁から、小笠原の歴史と自然のとりこになり、十年がかりで島民の家を一軒一軒訪ね歩いて、その歴史を語る古文書、明治時代の開拓者の生活を語る写真や絵図などを集めて解説を試みたのが本書である。

小笠原が海底火山の隆起で創生したのは六千万年前だが、四百四十年前の一五四三年(天文一二年)に航海中のスペイン人によって望見されたのが、世に紹介された初の記録である。

そして一五九三年(文禄二年)に信濃国深志(長野県松本)城主小笠原貞頼が発見したことから、徳川家康が大いにその功を褒め、島とともに、その島名も賜った、という。

しかし一八二七年(文政十年)には、英艦ブロッサム号が父島に入港して、「英国皇帝の名による小笠原島の領有宣言」をする事件があったり、一八五三年(嘉永六年)に米国からの開国使節ペリーが江戸湾を訪ねる前に、琉球から父島ニ見港に立ち寄って、自治政府をつくるよう指導したりしている。また、々この年、ロシアの軍艦パルラダ号が寄港するなど、この南の楽園も次第に国際的にクローズアップされていった。

そして、一八七三年(明治六年)に小笠原の領有をめぐり、日英独仏などの間で論争がさかんになったが、一八七六年(明治九年)、日本政府がその領有を諸外国に通告、反対が来なかったことから、日本領と確認されるに至っている。

第二次世界大戦中の昭和一九年に島民六千八百八十六人が本土に強制疎開させられたあと、米海軍の統治下に入り、昭和四十三年にようやく、祖国に返還された、という運命の島である。

本書は、こうした歴史の各過程を写真を駆使して語っているが、林小平の作った「三国通覧図説附図」があるかと思えば、さきにふれた百五十年前の英ブロッサム号船長の写真も見つけ出していて、その丹念な収集ぶりに驚かされる。

また、今に残る島語ともいうべき言葉には、古代の南方人往来をしのぶ英語、ハワイ語が交じっていたり、ロシアの探検隊の鳥類学者が、いかにも楽園と呼ぶにふさわしい島内の自然を描いた銅版画など、貴重で興味深い資料に満ちあふれている。

(アボック社出版局 三二〇〇円)



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