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立松和平氏より

人生のフィールドサイン®

立松和平氏

イギリスでの体験である。ロンドン市内の大きな森林公園を歩いていて、 私は道に迷った。自分がどこにいるかわからないというのは、不安なものである。 前に進むしかないので先へ先へと歩いていくと、フィールドサイン®があった。 地図が描いてあり、現在地の赤い点が置いてあった。そこにはこう書いてあった。

『You are here.』

お前はここだよという意味で、まことにわかりやすい。 そこからまた少し歩いていくと、同じ地図の中で赤い点が移動している。 つまり、私の現在位置は歩いた結果移動していたのである。 自分はいつもここにいるのだが、たえず移動していて、 そのことを示しているのがフィールドサイン®なのだ。

フィールドサイン®とは人の歩くべき方向を教え導くものである。 それならば、気持ちよく導かれたい。 フィールドサイン®はそれ自体が自己主張である必要はなく、 あくまで控えめで、しかし遠慮をしていても困り、それなりに目立たなければ見落とされてしまう。 それは絶妙なポジションであって、その位置に立っている人なら 人生の名人という。

フィールドサイン®も名人でなければならない。方向などの情報をただ提供するだけでなく、その風景をどのように見るべきなのか、 どのような動植物があるのか、どんな歴史をへてきたのか、 控え目な立場でいながら、やはりきちんと自己主張をしている。 フィールドサイン®は自然について雄弁に語りながら、風景そのものであってはならない。 これは困難な立場というものであろう。 だからこそ私たちの暮らしの中で貴重なのである。

『You are here.』のフィールドサイン®を見た時、 人生の上でもこんな案内板があったらいいのにと思う。よく頑張ったからお前はここまで歩いてきたよとか、教えてくれるフィールドサイン®があったらいい。

花の名前

立松和平氏

そもそもが、モノに名前をつけるということは、どういうことであろうか。 名前とは言葉であり、そこには発語する人の感情やら思想やらがはいっていて、 つまるところそのモノと人との関係が明らかに見えてくるものである。

野の草はいわば勝手に、人間とは無関係に、そこに生きているのである。 その草に、たとえばミズバショウと命名したとする。ミズバショウという時、 命名者には当然それなりの思いがある。湿地に生えるサトイモ科の多年草で、 真白い純潔な仏炎包(ぶつえんぽう)が印象的なこの植物の葉がバショウの葉に似ているからだ。 ミズバショウとは、まことにいい名前である。この名前がついたおかげで、 ミズバショウはみんなに愛される花になったといえる。

日本に自生するラン科の植物であるクマガイソウとアツモリソウは、 『平家物語』の熊谷次郎直実(くまがいじろうなおさね)と平敦盛(たいらのあつもり)と なんの関係もない。源氏の武将熊谷はすでに勝利を手中におさめ、 武功を得ようと海辺に馬をすすめていた。 そこに萌黄匂(もえぎにおい)の鎧を着た若武者を見つけ、とりおさえてみると、 薄化粧をした十六、七歳ばかりの美少年だった。 源氏方の浜が近づいてきたので、熊谷は泣く泣く若武者の首を落とす。 その若武者こそ敦盛で、後に熊谷は世の無常を知って仏門に入る。

かつて日本中の林や竹薮に生えていたラン科の多年草は、 こうして歴史上の悲劇的な人物の名前をもらい、二人の物語を生きることになる。 クマガイソウとアツモリソウを見るたび、人は『平家物語』中で最も美しい物語を味わうのだ。

名前のないものに名をつけるとは、そのものを掌中にいれるということかもしれない。 それは重大なことであったのだ。まだ多くのものに名前がなくて、 出会った一つ一つ名をつけていった人は、なんと幸福だったことだろう。 せめて私たちは、つけられた名前ひとつひとつを大切にしたい。


立松 和平【たてまつ わへい】(1947-2010)
作家。栃木県宇都宮市生まれ。
作品は写真と文で構成した『四万十川に生きる』、絵本『木のいのち』ほか。日本国内/国外を問わず各地を旺盛に旅する行動派作家として知られ、活力あふれる描写とみずみずしい感性が多くの読者の共感を得ている。晩年、とくに自然環境保護問題にとりくむ。知床半島に寺堂を作ったり、法隆寺の大修理に備えて400年は伐採しない「古事の森」運動も進める。
自然史に関わる活動
創作活動は、小説、エッセイ、絵本物語など多岐にわたるが、自然をテーマにすえた主な作品として次のものがある。
  • 小説『日高』(新潮社)
  • 絵本『川のいのち』(くもん出版)
  • 童話『虹色の魚』(フレーベル館)
  • 立松和平のふるさと紀行『花』(河出書房新社)(写真協力/アボック社)
また、明治の洋風植物画家、同郷の五百城文哉(いおき・ぶんさい)に関心をもち、2000年に放映されたテレビ番組(NHK新日曜美術館)では文哉の足跡をたどりながら語り部の役を演じた。その文哉への思いの一端を、当社のWebサイト(花の美術館第6回)でも読むことができる。
絶滅危惧種「ニッポン川ガキ」(川遊びするこどもたち)の増殖事業に力を入れる。
花コミュニケーションサイト「はなせんせ(運営/アボック社)」ではイメージキャラクターとして登場する。

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