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第三章 葉の不思議

第二八話 葉のはなし

巨大な精密工場

一本のイチョウの木にもいろんな葉形がある


葉は、私達が常に目にすることのできる植物の一部分。その働き、役割は、人間の存在そのものに重大なかかわりがある。炭酸同化作用がそれだ。葉にある葉緑体が日光の力をかり、気孔(主として葉裏の微小な穴)から入ってきた炭酸ガスと根から吸い上げた水とを化合させて炭水化物を作り、その結果として酸素を大気中に吐き出すこと。太陽の光エネルギーは、1平方cmの地上に毎分1~1.9cal降り注いでいるといわれ、植物がこのエネルギーを利用して炭酸同化する仕組みを光合成という。この結果、生産された同化物質は、夜の間に細胞原形質中にある酸素の働きにより糖類になり、水に溶けて、細胞膜に浸透し、枝、葉、根、地下茎、果実などに移っていく。

さて植物のからだの中でつくられる同化物質で、最も大切なのはたんぱく質。ほかに炭素、酸素、水素、チッ素も必要。このチッ素は上の中から主に硝酸塩、アンモニウム塩の形で水に溶けて取り入れられ、炭酸同化の産物である炭水化物を化合して、アミノ酸を形づくる。これが、さらに根から吸い上げられたリン酸などの化合物と化合して、たんぱく質を生じ、植物体のもとである原形体となる。

1枚の葉と簡単にいうけれど、その働きと役割は現在の科学をもってしても構築することが不可能な巨大な精密工場にも匹敵するといわれている。

次に葉の形に移ろう。これが千差万別といっていい。サクラとツバキの葉は幼児でも見分けることができる。が、ソメイヨシノとヤマザクラとか、ヤブツバキとワビスケの葉を見分けることはむずかしい。ところが、園芸好きで10年、20年自分の好きなツバキとかバラなどの品種を見守り続けていると、葉を見ただけでああこれはワビスケの赤花とか白花、と判定できるようになるから不思議だ。

葉の付き方を見て種類を見分けることもできる。例えば常緑木のイヌツゲとツゲは、互生(互いちがいに葉が枝に付いている)と対生(向き合って付いている)の違いから一目瞭然で見分けられる。同じように落葉針葉樹のメタセコイアとラクウショウも分かる。簡単なことだから、覚えておくと町の学者になったようで楽しいものだろう。

1枚の葉をじっと見てみよう。すぐ気付くのが、血管のように網の目状になっている葉脈。幹や枝が幹線道路とすれば、葉脈は住宅や商店街に四通八達した小道のようなもの。生活物質を休むことなく運んで往来する大事な役目を果たしている。網の目状ばかりではない。ユリやイネの葉のように平行に走っているものや、イチョウのように又状のものまであり、子供たちの理科教材として最高に面白い。

同じ1本のイチョウの木の葉でも、その形はさまざまである、と気が付いたのはゲーテ。今でも西独・フランクフルト市のパルメンガルテン(植物園)には、ゆかりの大木「ゲーテのイチョウ」が天にそびえ立っている。

以上、葉について手短に書いてみたが、葉の形一つとってもまだまだ大自然の神秘さに人間の力は及ばないといっていいだろう。

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