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クサキョウチクトウについて(草夾竹桃)

クサキョウチクトウ(草夾竹桃)
クサキョウチクトウ(草夾竹桃)

昭和59年6月 岩下緑化研究会


<はなしのぶ科フロックス属>

1. 学名
Phlox paniculata L.
  • ・Phlox…ギリシャ語で焰の意で花色に由来する
  • ・paniculata…ラテン語で「円錐花序の」
2. 英名
Summer perennial Phlox
3. 独名
Rispige Flammenblume
円錐花序の情炎的な花の意
4. 原産地
北米(ニューヨーク、ジョージア、アーカンソー各州)
5. 性状
(1)茎葉 永年性で寒気に強く茎は60~90㎝で剛強、直立性で叢生し、葉は十字状に2枚づつ対生し、上のものと下のものとは、交互に直角に出て並んでいる。ときに3葉が輪生することもある。葉の形は長楕円状の被針形または、卵状の被針形で、その状態がインドを原産地とするキョウチクトウ科の木であるキョウチクトウに似ているので、この名がつけられた。ちょうど昔から日本にあったサクラソウ科で「イオウソウ」と呼ばれていた草花が、その茎葉が、地中海沿岸とカナリー島が原産地であるマメ科の「レダマ」によく似ていることから「クサレダマ」と名付けられたのと同じケースである。
(2)花穂 花穂の形状は
①丸く毬状なもの
②傘形状に広がるもの
③円錐状(ピラミッド型)
と3つの形を表わすが、円錐状の花穂が最も好まれる。花期は関東地方で6月中旬から9月初旬、東北地方では7月下旬から10月中旬で次々と咲きつづける。なお、夜間にも花弁を開きつづけ、夕映えと灯火のもとではまことにあでやかである。
6. 栽培
あまり乾燥する土地や日陰地では生育が劣り、よい花を楽しむことはできない。土質はあまり選ばないが、石炭分と燐配分が多いと花の色が鮮やかである。殖やし方は宿根性の性質をよく生かして、株分けするのが最もよいが、さし芽でも殖やすことができる。実生すると種々の変わりものがでて、気に合ったものを選ぶには、大変な労力と時間がかかるばかりでなく、なお、このために畑や花壇に広い面積を当てることになるので、実生は育種の専門家に任せるのが賢明である。株が大きくなるにつれて花が小さくなる傾向があるので、5~6年たったら、早春に株分けする。株分けした苗につける花はもともとの大きさに復帰する。
7. 品種
園芸品種といわれるものが、アメリカに多いが、たいていはヘテロゲーナスであって、これを無性繁殖法によって増殖したもののようである。次に、その主なものを挙げて参考に供する。
園芸品種 花色
Africa  鮮桃色
Aida 濃紫紅色
Blue Boy 濃紫青色
Bright Eyes 鮮紅色に濃色の目
Columbia 桃色 中心帯青色
Daily Sketch 鮭桃色
Harvest Fire 鮭橙色
Symois June 桃色 中心赤
July Glow 紫紅色
Mary Louise 白色
Mrs.Copper 淡桃色
New Bird 濃紅色
Pinkette 桃色
Purple Heart 濃青紫色
Salmon Beauty 鮭桃色 中心白
8. 夏の風物詩オイランソウ
わが夢はおいらん草の香ごとし
雨ふればぬれ、風吹けば散る
白秋
夕風やおいらん草にただずみて
玉竜
フロックスパニクラータの学名を与えられ、日本の植物としてクサキョウチクトウの正名を付された。この植物が日本に渡来したのは案外に古い。平安前期の情熱の歌人、小野小町に美男におわした深草の少将が燃える思いをかけて通いつめたロマンチックな伝説にまつわる花だという。すなわちこの花や夏桔梗が乱れ咲く草深い野辺を、しとどにぬれた露をはらいのけながら、思いこがれた小町に百夜を通いつめたという平安時代にまで思いをさかのぼらせるような花なのである。
歌人、今井邦子は、遠く平安時代(794~1191年)に思いをよせて、
夏草の深草みだれはてしなく
おいらん花は重たげに咲く
草深野おいらん花の大き花
くれない深く寂しくも見ゆ
とうたった。
しかし、実際はオイランソウ(クサキョウチクトウの昔の呼び名)は1732年というから、第8代将軍徳川吉宗の享保17年に北米からヨーロッパに渡り、その後、ほどなく10代将軍家治の安永2年、1773年欧州よりオランダの貿易船によって日本に渡来したものとする説が有力である。
いずれにせよ日本人の好みによく合ったこの花は直ちに広く全国に広まったが、とくに江戸の人びとは、ふくいくとして芳香をあたりにただよわして茎頂に開く多数の小花の華麗さに魅せられ、しかも夜にもしぼむことなく灯火に眺えて美しさを増すこの花を庶民のあこがれの的だった花魁が、そのみどりの黒髪に挿して一脈な情緒をかもし出した。花カンザシに見たてて、誰というとなく「オイランソウ」と呼ぶようになった。
9. 盛岡地方の呼び名
(1)チチバナ
子供たちは好んで花を摘んで花管の根元に分泌する花蜜を母親の乳房を吸うように口に喰んで遊んだことからこの呼び名がでたという。
(2)アキシラズ
一花の開花日数は数日と短いが、次々に新しい蕾が出て咲き続け、一期咲きにつづいて二期、三期と全体が咲き終わるのは中秋である。だから初夏に咲き出して、今は中秋に時節が変わったのに秋の季節を知らずいつも夏だと思い続けているということから「秋知らず」というとする説と、飽くことなくつぎつぎと咲くということから「飽き知らず」と呼ばれたとする説とがある。
10. 花ことば
欧米では昔から樹木や草花に花ことばを与える風習がある。その起りは遠く十字軍の兵士が凱旋して来たとき愛し合うもの同士が互いに贈りとどけた愛の花に、愛情を綴った紙片をソッと添えたことに始まるとされている。だから、
クサキョウチクトウの花ことばは
「私の胸は燃えている」
なのである。
11. 殖やしかた
根分けと芽さしによる、根分けは早春の萌芽時と晩秋の落葉直後の2回にできる。芽さしは開花の初期に三対の葉をつけて茎を切り、下の方の2節の葉を除いて肥料気のない土に残してある一対の葉は半分を切り除いてさす。芽さしには半日陰の場所を選ぶ。
このあと腋芽が2㎝位に伸びるのを待って、掘り出しするが、この場合、掘り出しの数時間前に水をタップリと与える。その理由は掘り出しのとき根が床上をよく抱き細根の切断が少ないからである。 掘り出した苗はこれも数時間前に十分に潅水しておいた、日のよく当たる新しい肥沃な苗床に移し換えする。
移植の間隔は5㎝ほどが良い。
寒地では霜柱によって株が浮かされ根が切断して枯れることがあるので株の周囲の土を冬と早春にかためてやる。
12. 病害虫
梅雨が続き高温多湿の年にウドンコ病が発生することがある。虫害は少ない。
13. 鑑賞
花壇用と一般用に植栽されるが「一花壇一花種」として群生させるのがよい。異色花の株を混植しても十分楽しめるが、同色の花の咲く株を秋に掘り出して集めて植えると鑑賞価を増す。花が咲き終わると落下して株の根元に散るので、道路ぎわでは下作として低い草花を植え込むと路上におちこぼれて散乱するのを防ぐことができる。

クサキョウチクトウの管理と利用

Ⅰ.管理

(1)土質
排水が普通で半日以上陽が当たる場所であればよく育ち、特に土質を選ばない。なお粘土質で有機質を含まない所では、耕起のときに山林などの表土を10%程度(耕起の深さは10㎝の場合)を混入するとよい。
(2)施肥
クサキョウチクトウは菊のように浅根性なので耕起の深さは軽い土壌でも20㎝以上に及ぶ必要がないし、施肥は冬期間に鶏糞、落葉堆肥、厩肥などを地表散布する。雑草防除の効果も兼ねる。有機質肥料のないときは追肥として燐配分に加里分の含んだ化学肥料で代換えできる。この際、窒素成分はなるべく避けるのがよい。
(3)株の植栽
1).群落をつくるとき
2).花壇植え
400c㎡(20㎝×20㎝)に1株植えを標準とする。なお舗装に接する側は舗装との間を30㎝程度の間隔を保つ。
(4)植栽後の踏付け
株を植栽したあと、株の上から潅水し、その周囲を踏みつけして根を落ちつかせる。これを行わないと強風に倒されることがある。
(5)病害虫
害虫は殆んど食害しないが、特に梅雨期の長い年にはウドンコ病たまにベト病が発生することがある。
ウドンコ病についてはダイセン系、ベト病についてはベントレートまたはバイレトーンなどの薬剤で防除できる。
それよりも大事なことは潅水しないことである。水をかけることが重なると病害を誘うことになる。干魃のときは早朝を選んで散水するのがよい。

株式会社アボック社
毛藤圀彦


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