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泉宏昌先生オリジナル原稿 ④ 『日本の自然』

われわれの日本の自然、その美しさと豊かさは、われわれ自身が認識している以上に、世界の国々に知られている。

その美しさは、日本の地理的位置とか地勢とか形状とか気候などによって、生み出されたものである。それは、この日本の国土面積はごく小さいのに、人口密度は、先進国中オランダに次いで高い。けれども国土の約3分の1は山林に覆われているから、人口は残りの平野地に集中して、耕地1km²当りではオランダの2倍近くにもなっている。いいかえると山岳地帯の人口が非常に少なく、そのために自然がよく保存されてきたということになる。

日本の自然景観の構成要素である樹林についていえば、国土の南端は北緯24°の八重島諸島から、北は北緯45.5°の宗谷岬やエトロフ島にわたって南北に横たわる狭長な地形であるし本州の背積山脈には標高3000m級の雪線に達する高山が連なっている。このために、植生は、北方針葉樹林帯に属するものから、温帯性の照葉樹林をはさんで、南の亜熱帯林までが含まれている。さらに、ユーラシア大陸や熱帯地方から渡来した植物が、これに加わって、せまい国土にさまざまな植物相を示している。これはひとつには、年間平均降水量1800mm以上、気温10℃以上という植物の生育に好適な条件にもよるものであるが、このようにしてできたきわめて複雑多様な植物相は、日本の景観を美しいものにしているばかりでなく、学術的にも極めて珍しい貴重な地域のひとつともいうべきものにしている。

動物については、島国には大型獣は棲息しない、といわれているように、象やライオンなどは日本の野生のものではない。しかしそれらに次ぐ大型の哺乳動物は、その種類もすくなくないし、数も多いことは、欧米の先進諸国の状態にくらべて、決して劣らない。日本の野生動物の多くは、地質時代の気候や地殻の変動に影響されて侵入し、複雑な地形などに保護されて、今日まで生きのびることができたものであろう。

日本の哺乳動物の主なもののひとつにイノシシがある。これはヨーロッパでは古い頃から繁殖し、有数の狩猟獣であったが、狩猟者が多くなり、また文明の発達につれて、その数が減少してしまったので、現在では人工的に保護増殖を図り、一定期間、数を限って狩猟用にしている程度の国が多い。これに反して日本の場合は、本州中部以南では、毎年農作物に害を与える有害獣で、その駆除に苦労している。年間の捕獲頭数は45,000頭に達するが、被害が減少しない。

シカも日本に数多い野生動物である。牡だけが狩猟獣で毎年12,000以上が捕獲されている。これも欧米諸国では、輸入したり保護繁殖させて猟期に獲っているくらいである。奈良や宮城県金華山の観光地などに姿を見せているシカも、本来山に住むものである。とくに人になついてエサを与えられているのだが、こんな大きな野生動物が、奈良などのような都会地に来ることは、欧米にはない非常に珍しいことである。

サルは、各地で自然状態にある群が餌付けされ、観光対象として利用されている。青森県の下北半島や津軽半島の森林にいるサルは、世界最北限のものとして有名である。

特別天然記念物に指定されているカモシカは、青森県以南の山地に分布している。動物学的にも貴重なものである。一時全国的に減少を伝えられたが、最近は各地の山岳地帯で見られるようになり、場所によっては農林産物の被害を防ぐことが考えられるほど増加している。

以上の動物は、人畜には害を加えることは殆どないから、山の動物として保護すべきものである。この点で問題になるのは、クマである。

本州・四国のツキノワグマ、北海道のヒグマは、狩猟獣でもあり、ある時は人畜に与える害から有害獣として駆除もされる。狩猟と有害獣としての駆除をあわせると、年間合計2,000頭をこえている。

ヨーロッパにも昔はクマがいて、ベルリンなどをはじめ多くの都市の紋章にまで描かれるほどだったのに、近年は北ヨーロッパ、ソビエト連邦でなければ見られないという。これは日本の現状と大違いである。文化の程度にはほとんど変りがないのに、なぜ日本にクマが多いのか、多くの欧米人には理解されないだろう。

日本の野生動物が豊富なのは、古い頃からの高山崇拝と殺生禁断という宗教的な理由があった。しかしそれ以上に、山岳地帯の自然が、原始性を保って、動物の生息に適していることが否定できない。工業化の進んだ現在この自然はまことに貴重なものといわなければならない。


以上のような日本の自然の豊かな美しさが、この極度にまで機械文明の発達した日本にあって、永久にその美しさを維持されるためには、人間はそれにいかに対処すべきであろうか?

機械文明が高度に進むと、自然に対する愛着とか、生きることのよろこびというような人間らしさが、心のうちから次第に失われて、権力や物質だけを追求する傾きが強くなるといわれる。自然に対する感情の育ちにくい環境では、邪心とか非情とかは強くこそなれ、天地の恵みに感謝する素朴な感情も、他人の親切をありがたいと感じる謙虚な心も、知らず知らずのうちに薄れるのではないだろうか。そしてそれは、土や、草木や、雲などという自然の営みに対する感情も愛着をも失うことにつらなるものであろう。それが当然自然破壊への第一歩でもある。

自然破壊による人間生活への最も大きい影響は、いうまでもなく生態系を乱すことによるそれであろう。人間は何等かの利益を期待して、自然を改造しようとするが、いったん改造された自然を元に戻すことは、殆ど不可能に近い。しかも一度それに失敗すれば、その悪影響は、計り知れないほどの長い期間にわたるので、改造と称する生態系の改変は、それによって得る利益では、とうてい償いきれないほどの有形無形の損失を覚悟しなければならない。

アメリカで1900年代の頭初から、国策として推進してきている自然保護とは、常に動植物や原始的な自然を保護するだけではない。農業、林業、漁業、畜産などの資源から、土地や水などを含むあらゆる天然資源のすべてを、いかに保護し、管理し、更新するかの問題を含めたきわめて広義の保全(Conservation)と理解されているし、更に人間の居住環境に関連するいわゆる公害の防除や、公園緑地の問題にまで及んでいる。その包括するすべては、生態系の攪乱に関連するものであることはいうまでもない。

今日多くの国でいわれる自然保護は、資源や自然を保護し管理することによって、それを、社会や人々のためにいかに永続させるかを意味しているのである。


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