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第五章 根の不思議

第六七話 球根・球茎のはなし

養分を地下で蓄える

夏は地表近くにあり、秋にはもとの深さまでおりてくる


根や茎の一部が肥大して、栄養分を蓄えている部分を球根および球茎という。

この球根・球茎が観賞用に利用されたり、食用に使われる植物は数多い。身近な植物を挙げてみると、クロッカス、グラジオラス、アネモネ、ジャガイモなどの塊茎、スイセン、ユリ、チューリップ、ヒヤシンス、タマネギなどのりん茎、ダリア、サツマイモなどの塊根、タケ、ジャーマンアイリスなどの根茎などがある。

ヤマユリ、オニユリは花の咲いている夏に上を掘ると地表近くに新しいりん茎ができている。ところが、花が咲き終わった秋ごろには、春に植えた元のりん茎の深さに下りている。これは新りん茎の根が収縮して引き下げているからだ。ユリの根をよく見ると無数のしわがあるのはそのためと言える。コオニユリは地下茎が地中を横にはい、その上にりん茎ができるからしわがない。同じりん茎でもチューリップはユリと異なる。専門的に層状りん茎と言い、短縮した偏平板状の茎に、葉の変形したりん片が層状に多数付いている形だ。球根を下部に横に切って見ると、りん片の基部に腋芽が付いているのがわかる。花が終わった球根を掘り上げて、子球がいくつか付いているのを見た人は多いはず。ところがヒヤシンスの球根もりん茎だが、チューリップとは違い、元の球根のりん片の数を増やしていき、数年は同じ球根で花を付けてくれる。

オランダ・リッセ市のキューケンホフ・チューリップ公園の、6百万球の球根が見せる花の饗宴は花文化の粋といえよう。

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