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『森へ』ダリウス・キンゼイ写真集

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1984年4月号 山と渓谷

ダリウス・キンゼイ写真集 D・ボーン&R・ペチェック著 田口孝吉訳


ダリウス・キンゼイ(米国の写真家、1869〜1945)の写真集『森へ』は、さまざまな興味を喚起させる一冊だ。タイトルがやや叙情的なのに比べ、内容はかなり辛口である。

キンゼイが、6 1/2インチ×8 1/2インチ、11×24インチ、20×24インチなどの超大型暗箱を携えて「森へ」行き、そこで撮ったものは、原生林や巨木に対する人類のいわば挑戦である。ときは、アメリカ西部の開拓が進む19世紀末から今世紀初頭にかけて。撮影地はワシントン州内、カスケード山脈沿いのモミやツガの原生林が主である。

「原生林や巨木への人類の挑戦」といったが、その映像は不気味に感じられるほど静止しており、“挑む姿”を捉えた写真は一枚もない。巨樹の根元、木材列車、木材集積場、飯場等々シチュエーションの相違こそあれ、必ずや森で働く開拓者たちをそれらの前に並ばせ、ポーズをとらせ、カメラの方を向かせて撮影している。森というスタジオで、武器(鋸や斧)や戦利品(木材)とともに彼らを記念撮影しながら、偉大ではあるが敗者となりつつある森への畏敬と哀れみ、そして開拓者たちのフロンティア・スピリット、相入れそうもないこれらふたつを同時に描こうとしているかに思われる。

こうした撮り方をした裏には、当時の機材が、まだ速い動きに充分には対応できなかったという事情も多分にあるだろうが、それよりもむしろこの写真家が、もとはといえば営業写真館の主であることと深い関連があると見るべきだろう。本書の前半に収められている数々の肖像写真とのつながりで森の写真をも見るなら、きわめて“私写真的”なその表現方法についても充分納得がゆく。

ジャンボサイズのガラス乾板をネガティブとするその精緻な映像や、“キンゼイ・トーン”とでも呼んでいいような陰影のほとんどない画面づくり、そして、集合写真撮影の際の画面構成など、写真的な興味もまた尽きない。(新妻喜永)

(59年2月アボック社出版局刊 B4変型判 問合せ先=〒247 鎌倉市岩瀬・アボック社)



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