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第三章 葉の不思議

第四三話 変葉のはなし

形が変化する葉

カイヅカイブキは強剪定すると葉が杉型になる
四つ葉のクローバーも変葉のひとつ、幸せを呼ぶ夢のある変身です


葉の変身について紹介する。ふつう、芽生えとか新緑は淡い緑で、成葉になると次第に濃い緑になる。例えば、ヤツデは6月半ばごろまで淡くて、新旧交代の色合いがはっきり分かる。夏にはすっかり濃くなり区別できないが。カエデはモミジ(紅葉)というくらいだから、秋になるとみごとな赤、黄に染まり人々の目を楽しませる。誰でも知っている葉の変身のチャンピオンであろう。花の色素と同じアントシアンが低温などの要因で増量されるといわれているからだ。ハゼノキ、ニシキギ、ドウダンツツジなどみんな同じだ。ところが「出猩々」はモミジの品種だが、春の新葉から目のさめるような赤で、やがて夏になると緑になる。カナメモチの仲間の「レッドロビン」も同じように真っ赤だ。それが、成葉になると緑したたる色合いに変身する。もっと身近なサクラでは、茶芽、青芽とあって、春の芽出しを特徴づけているが、茶芽はブロンズ色で濃い。そして、やがて緑色に変わる。

色ばかりではない。形もまた変身する。

どこにでもあるカイヅカイブキにスポットを当ててみよう。公害にも強いといって生け垣などに多く使われている針葉樹だ。ゴッホのイトスギの絵のようにカーブを描く枝ぶりが面白いが、小枝が真っすぐ生長しないのがユニーク。もっと気にかかるのが、枝を切ったときに発生する杉葉だ。ノーマルな形は鱗状のりん片葉なのに、スギのような葉が叢生する。これをほうっておくと全部杉葉になるかというとそうでもない。次の生長には杉葉の先にりん片葉が茂ってくる。こういう形の変身はどうして起きるのかが問題である。

似たようなことがヒイラギにも見られる。カイヅカイブキと違うのはほうっておくと、どんどん丸みのある葉ばかりに変身して、ヒイラギらしいトゲのある葉は数量的に減るということだ。なぜかは不明である。

いつか、大阪の服部サボテン公園の入り口にヒイラギの一種、アマギヒイラギモチの2mほどの木と出合ったが、全身(全葉)が丸みのある葉で、本来の細かくて切れ込みのある葉は根元の方にわずかあっただけだ。東大植物園の奥の方にあるヒイラギモチも、モチの葉のような丸みのある葉ばかりで、ヒイラギ状の葉はちらほらだった。よく見ると不定芽から出ているシュート(徒長枝)はヒイラギ葉だ。

このほか、変身するものはアカシア、カエデ、スギ、ユーカリなど探せばたくさんある。奇形といわれている四つ葉のクローバーなども、女性や子供たちに夢を提供している葉の〝変身〟といっていいであろう。

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